タラ(ロシア語: Та́ра)は、ロシア連邦西シベリアのオムスク州にある市(ロシア語: город)である。タラ川とイルティシュ川の合流地に位置し、オーブラスチ(州)の行政府であるオムスクの約300 km北にあたる。森林地帯がステップにつながる地域である。 ターラとも。人口: 27,318 (2010年調査); 26,888 (2002年調査); 26,152 (1989年調査).
歴史
ロシアのシベリア進出と町の建設
タラは1594年ごろに、イェルマークによるシベリア侵攻の結果、オストログ (要塞)として建設された。この地域でもっとも古い都市のひとつである。 タラはシベリアの都市のほとんどより古く、長年のあいだ、はるか東方の入植地への表玄関となってきた。
1722年ターラ(タラ)の蜂起
17世紀に、モスクワ総主教ニーコンが奉神礼改革を行った。これを受け入れない人々がロシア正教会から分裂して、古儀式派として激しい弾圧を受けた。古儀式派信者は辺境に逃れ、西シベリアには特に多かった。ピョートル1世(大帝。在位1681年-1725年)は、残虐な弾圧の代わりに、人頭税を倍にして、彼らの存在を認めつつも、締めつける政策をとった。
古儀式派に対する迫害に対して、西シベリアの信徒たちは団結して抵抗をはじめた。1722年春、ピョートル1世の後継者誕生の知らせとともに、住民に宣誓を求める勅令がタラの古儀式派教徒たちに発せられた。彼らはこれを「反キリストへの宣誓」だと考え、700人が宣誓を拒否した。トボリスクから軍隊が派遣され、170人が逮捕され、タラ市では虐殺も起きた。また、抵抗するコサック(カザーク)との戦闘も続き、抗議の焼身自殺も行われた。結局、この蜂起で、合計2000人ほどの信徒が何らかの処罰を受けた。
気候
タラは亜寒帯湿潤気候(ケッペンの気候区分 Dfb)で、亜寒帯気候( ケッペンDfc)と接しており、冬は非常に寒冷で夏は穏やかである。降水量はきわめて少ないが、1年のなかで夏だけは大幅に増える。
脚注
注釈
出典
参考資料
- 三上, 次男、神田, 信夫『東北アジアの民族と歴史』 3巻、山川出版社〈民俗の世界史〉、1989年。
- 田中, 陽兒、倉持, 俊一、和田, 春樹『ロシア史〈2〉18世紀-19世紀』山川出版社、1995年。
- 阪本, 秀昭、中澤, 敦夫『ロシア正教古儀式派の歴史と文化』(初版)明石書店〈世界歴史叢書〉、2019年。
- March, G. Patrick (1996), Eastern Destiny: Russia in Asia and the North Pacific (illustrated ed.), ABC-CLIO, ISBN 0275956482, https://books.google.com/booksid=eNc7bwXKs_kC&pg=PA31
- “西シベリアのオムスク州タラ市で、番犬が文字通り凍りついた”. ロシア・ビヨンド. 2023年3月1日閲覧。
- “ロシアの田舎の美しい光景、可憐なりんごの花”. スプートニク 日本. 2023年3月1日閲覧。


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