DUG OUT(ダッグ・アウト)は、THE BLUE HEARTSの7thアルバムである。
概要
ジャケットに凹の文字があり、前作STICK OUTとは対照的にスロー&ミディアムの楽曲が集められている。甲本いわく、「前作STICK OUT(凸)と本作DUG OUT(凹)は2つで1つのアルバム」だという。
楽曲はSTICK OUT収録曲と同時期に制作され、レコーディング作業は1993年3月から行われた「STICK OUT TOUR」と並行して行われた。
真島の作詞した6作品中全てに「風」という文字が使われている。雑誌のインタビューで指摘されるまで真島本人は気づかなかったという。その他にも「雨、空、夏、夜」という言葉が目立つ。
ブルーハーツというバンドの在り方を見せたい、バンドを再スタートさせたいという甲本の意向のもと、今作と前作『STICK OUT』が制作されたが2作出来上がった時に、バンドのこれからの可能性よりも頑張ってもこれが限界かな、と甲本は感じたという。
初回限定版は凹マークの入った青い紙ケース入り。
『STICK OUT』と『DUG OUT』初回限定盤に入っていた2つの応募券を合わせて送ると凸と凹、2枚のアルバムを収納できる専用のCDケースが貰えた。
2010年2月24日に、25周年企画の一環で、デジタル・リマスタリングを施して再発することが決定。
収録曲
楽曲解説
- 手紙
- オーケストラを使用した楽曲。甲本のボーカルはヴォコーダーで加工されている。
- 真島は自身のソロライブでこの曲を歌っている。
- 緑のハッパ
- ニューオリンズのブラスバンド、ダーティー・ダズン・ブラス・バンドがゲスト参加している。
- ライブでは甲本がタンバリンを持って演奏した。
- トーチソング
- タイトルにあるトーチソングとは本来、恋をなくした女性が歌うラブソングの類いのことをいう。タイトルのインスパイアは映画「トーチソング・トリロジー」から。
- 凸凹ツアーではメドレーの1曲に組み込まれていたが、1994年6月19日の凹ナイトでは年をとろうがフルコーラスだったのでカットされた。
- 雨上がり
- 凸凹ツアーではメドレーの1曲に組み込まれていた。
- メドレーでは、キーを2つ下げて歌われた。
- 年をとろう
- 真島がボーカルをつとめる。
- 凸凹ツアーではメドレーの1曲に組み込まれていたが、1994年6月19日の凹ナイトではメドレーの最後の曲としてフルコーラスで歌われた。
- 夜の盗賊団
- 「夕暮れ」のカップリング曲。
- 別バージョンがベスト・アルバム『EAST WEST SIDE STORY』(1995年)に収録されている。
- キング・オブ・ルーキー
- ヒロトの弟の甲本雅裕のことをヒロトなりに歌った曲である。
- ムチとマント
- 凸凹ツアーではメドレーの1曲に組み込まれていた。
- 宝もの
- 河口がボーカルをつとめる。
- 凸凹ツアーではメドレーの1曲に組み込まれていた。
- 夕暮れ
- 「何だかうるさいなぁと思って」と、甲本が真島に無断で真島のギター・トラックを大幅に削除。それを知った真島は落ち込んだらしいが、完成トラックを聴いて納得したという。
- ライブでは甲本がリズムギターを、真島がスタジオ盤では削除されたリードギターを演奏する。
- パーティー
- 曲のフェードアウトする直前の部分で梶原徹也がドラムを叩き壊した(倒した)音が微妙に聞こえる。梶原いわく、「(曲が)盛り上がって楽しくなってきたので」。
- ライブでは、トランペットがついた演奏のときもあった。
- チャンス
ライブ
1993-1994年の「凸凹ツアー」ではDUG OUTメドレーとしてアルバムに収録されている曲をミックスして演奏された。
ツアー中の曲順は「雨上がり→ムチとマント→宝もの→年をとろう→トーチソング」だが、「凸凹ツアー特別編」と題された日比谷野音2daysの2日目「凹Night」では「トーチソング」は演奏されず、その代りに「年をとろう」がフルで演奏された。
必ず、このアルバムの曲は上記の「凸凹ツアー特別編」以外では全曲歌われた。
「凸凹ツアー」では下ネタが多く、「前の方にポコチンのでっかそうな奴がいるな 勝負しようか」や「ま○こ黒けりゃ豆まで黒い」などとMCで言っていた。
参加ミュージシャン
- THE BLUE HEARTS
- 甲本ヒロト - ボーカル、ブルースハープ
- 真島昌利 - ギター
- 河口純之助 - ベース
- 梶原徹也 - ドラム
- 白井幹夫 - キーボード




