永源寺(えいげんじ)は、山梨県中央市下河東にある曹洞宗の寺院。山号は豊田山。本尊は釈迦如来。甲斐百八霊場第50番札所。
歴史
奈良時代または平安時代に開山された。当寺に所蔵されている位牌によれば、開基は「天徳元年(957年)没の河東(加藤)梵玄」ということになっているが、梵玄は室町時代の人物であり、開山年代とは大幅なズレが生じている。
当初は華厳宗の寺院であったが、後に真言宗に、慶長年間(1596年 - 1615年)に曹洞宗に転宗している。観音堂にある「木造聖観音立像」は国の重要文化財に指定されており、平安時代の作風といわれている。
廃寺「明暗寺」
当寺から約1キロメートル南には、かつて「明暗寺(みょうあんじ)」と称する普化宗の寺院があった。普化宗は尺八を吹く虚無僧の所属宗派であったが、明治初期に明治政府によって廃宗処分を受けた。これに伴い明暗寺も廃寺となった。廃寺の際に寺宝などが当寺に移管された。本尊だった普化宗宗祖普化の坐像は全国唯一ものである。
毎年4月29日の「中央市れんげまつり」では、明暗寺にちなんだ虚無僧行列が執り行われている。
文化財
- 木造聖観音立像(重要文化財 明治39年9月6日指定)
前後の札所
- 甲斐国三十三観音霊場
- 1 薬王寺 -- 2 永源寺 -- 3 光勝寺
- 甲斐百八霊場
- 49 大福寺 -- 50 永源寺 -- 50 歓盛院 -- 51 遠光寺
交通アクセス
- 東海旅客鉄道(JR東海)CC 身延線 小井川駅より徒歩18分。
脚注
参考文献
- 山梨県高等学校教育研究会地歴科・公民科部会 編『山梨県の歴史散歩(歴史散歩19)』山川出版社、2007年
関連項目
- 甲斐百八霊場 - 50番目の寺院は永源寺と歓盛院の2か寺存在する。
- 歓盛院 - 木造薬師如来坐像(国の重要文化財)がある。
- 正行寺 - 永源寺の隣に所在する。




