炭酸エステル(たんさんエステル、carbonate ester)は有機化学における官能基の一種で、炭酸の2つの水素原子をアルキル基で置き換えたものである。 RO C ( = O ) OR {\displaystyle {\ce {RO-C(=O)-OR'}}} の構造を持つ。

一般に酸性には強いが、塩基性条件下では容易に加水分解を受け、二酸化炭素とアルコールを発生する。

ホスゲンとアルコールの反応で合成するのが一般的である。炭酸ジフェニルとアルコールとのエステル交換反応、一酸化炭素とアルコールの金属触媒による反応なども用いられる。

誘導体

  • 炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチレン(エチレンカルボナート)、炭酸プロピレン(プロピレンカルボナート)は溶剤、電解液などとして利用される。
  • ポリカーボネート樹脂は、ビスフェノールAが炭酸エステル結合によって多数連結したものである。ビスフェノールAとホスゲンまたは炭酸ジフェニルとの反応で合成され、耐衝撃性・透明性などを生かして各分野に幅広く応用されている。
  • 有機合成分野においては 1,2- および 1,3-ジオールの保護基として利用される。水酸化ナトリウム水溶液などの作用で脱保護できる。

脚注

関連項目

  • 炭酸塩
  • エステル
  • 硫酸エステル
  • 硝酸エステル
  • リン酸エステル

脂肪 族 特性 Jocelynnokung

加溶媒分解 Solvolysis JapaneseClass.jp

研究紹介 梅木研究室

脂質結合環状炭酸エステル誘導体、それらの合成および用途

女子高生と学ぶエステルの加水分解と脱水縮合の反応機構 有機化学論文研究所