シマロン級給油艦(英語: Cimarron-class oiler)はアメリカ海軍の給油艦(AO)。
来歴
1970年代半ばの時点で、アメリカ海軍の艦艇数は劇的に減少し、50年以上で最悪の状態に陥っていた。給油艦においては、AOR(廉価・低速版AOE)として建造されたウィチタ級を除けば1950年代に建造されたネオショ級が最新で、数的には第二次世界大戦中に建造されたものが大半を占めていた。1960年代半ばにはこれらの艦の一部に対して延命改修が行われたが、老朽化は依然として問題であった。
1975年、下院軍事委員会の海軍小委員会は、この問題に対して5年間にわたり年間35隻の造船計画を進めるよう勧告した。この一環として建造されたのが本級であり、1975年度分の建造予算は認められなかったものの、1976年度予算より建造が開始された。
設計
本級は先行するネオショ級よりも大幅に小型であり、また戦時建造型を除けば唯一の1軸推進型AOとなった。設計は連邦海事局ではなく海軍の基準に基づいて行われた。
本級は通常動力航空母艦1隻、駆逐艦6~8隻からなる空母戦闘群2群に対して燃料補給を行う能力を持っていた。その後、船体を延長する(jumboized)改装を行って、燃料搭載量を増大させるとともに弾薬などのドライカーゴの補給能力を強化することになり、1989年から1992年にかけて全艦が改修された。
能力
- 物資格納(改装後)
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- 貨油:150,000バレル
- 艦船用燃料専用タンク:75,000バレル
- JP-5航空燃料専用タンク:45,000バレル
- 艦艇燃料・航空燃料両用タンク:30,000バレル
- 武器弾薬類:625トン
- ドライカーゴ:360トン
- 冷蔵食品:60トン
- 潤滑油:55ガロン入りドラム缶×125本
- ガスボンベ:584本
- ISO規格コンテナ×21基
- 貨油:150,000バレル
- 洋上移送
- 洋上移送装置としては、左舷側に4ヶ所、右舷側に3ヶ所の補給ステーションが設置された。送油能力は、艦船用燃料は毎時408キロリットル、航空燃料は245キロリットルであった。
同型艦
全艦エイボンデール造船所で建造された。
脚注
出典
参考文献
- Polmar, Norman (2005). The Naval Institute guide to the ships and aircraft of the U.S. fleet (18th ed.). Naval Institute Press. ISBN 978-1591146858
- Prezelin, Bernard (1990). The Naval Institute Guide to Combat Fleets of the World, 1990-1991. Naval Institute Press. ISBN 978-0870212505
- Wildenberg, Thomas (1996). Gray Steel and Black Oil: Fast Tankers and Replenishment at Sea in the U.S. Navy, 1912-1992. Naval Institute Press. ISBN 978-1557509345. https://www.ibiblio.org/hyperwar/USN/GSBO/index.html
関連項目
- 同時期の諸外国海軍の補給艦
- ローバー型給油艦
- デュランス級補給艦
- レーン級給油艦
- ストロンボリ級補給艦
- さがみ (補給艦)




